中古パソコンの購入|必ず確認すべき8つのポイント

中古パソコンの購入|必ず確認すべき8つのポイント 中古パソコンとは

近年、パソコン市場において中古パソコンの存在感は増すばかりです。新品パソコンと比べて価格が安いだけでなく、型落ちモデルや希少価値の高いモデルなど、選択肢が豊富なことも魅力です。しかし、中古パソコンには個体差があり、トラブルに巻き込まれないよう慎重な確認が欠かせません。そこで今回は、中古パソコン購入で失敗しないための8つのチェックポイントをご紹介します。

中古パソコンの選定理由を明確にする

パソコンを購入する際、新品と中古のどちらを選ぶかは大きな分かれ目となります。

新品パソコンならば最新のスペックを手に入れられますが、予算面での負担が大きくなる可能性があります。一方の中古パソコンなら比較的お手頃な価格で導入できますが、状態や性能面での不安もあるでしょう。用途と予算を踏まえた上で、メリット・デメリットを確認し、自分に合った選択を心がける必要があります。

新品と中古パソコンの選択ポイント

まず、中古パソコンを選ぶ前に、新品と中古のどちらを選ぶべきか検討する必要があります。それぞれの特徴を比較し、自身のニーズに合った方を選びましょう。

予算と用途に合わせた選択

自分の予算と、パソコンの用途をしっかりと見極めることが重要です。例えば、高価な最新モデルまでは必要ない単なるインターネット検索やデータ入力作業のみの用途なら、中古パソコンで十分事足ります。

一方で動画編集や3DCGなど、CPUやGPUに高い処理能力を求められる用途であれば、新品の高スペックモデルを選ぶのも選択肢となります。それでも初期費用を抑えたい場合や、コストパフォーマンスを意識すれば中古が賢明な選択肢となります。

コストパフォーマンスの違い

価格面での違いは明らかですが、高性能な中古パソコンを選べば最新の低価格モデルよりも優れたスペックを手に入れられる可能性もあります。

例えば、最新世代のミドルレンジCPUとメモリ8GBを搭載した中古パソコンと、新品の低価格エントリーモデル(旧世代CPUやメモリ4GB)とを比較すると、中古パソコンのほうがはるかに高いパフォーマンスを発揮します。自分のニーズとのバランスを考えながら、新品か中古かを判断することがポイントです。

中古パソコンの利点

  • 初期費用の抑制
    中古パソコンならば新品より大幅に初期費用を抑えられるのがメリットです。限られた予算の中で、性能の高い製品を選べるチャンスがあります。例えば、新品で購入すると10万円以上の出費となる高性能モデルでも、中古なら5万円前後で手に入れられる可能性があります。初期費用を大幅に圧縮できるというメリットは大きいでしょう。
  • 販売終了したモデルが購入できる
    中古市場なら、すでに新品販売が終了した高性能モデルを比較的リーズナブルな価格で入手できる可能性があります。メーカーは常に新しい製品を投入し続けるため、発売から数年が経過すると徐々に旧モデルの生産を終了させていきます。

    旧モデルでも用途に合えば十分活躍してくれます。例えば、4年前のフラッグシップモデルでも、現在ではオフィス作業に求められる性能はおおむね満たしているはずです。中古なら、いまは入手困難な旧製品でも比較的安価に手に入れられるチャンスがあるのが大きな利点と言えます。

用途に応じた性能を持つ機種を選ぶ

パソコンの用途を明確にし、それに見合った性能を備えた機種を選ぶことが大切です。仕事用のシンプルな文書作成・データ入力であれば、安価な低スペックモデルで事足りるかもしれません。しかし、動画編集やCG制作のような処理負荷の高い用途に使うのであれば、CPUやGPUなどの性能が不足していては、作業効率が著しく低下してしまいます。購入後に性能不足に気づくようではコストパフォーマンスが悪くなってしまうので、事前に自身のニーズを把握し、それを満たす性能を持つ製品を選ぶ必要があります。

  • CPU、メモリ、ストレージ容量のチェック
    オフィス用途なら基本的なCPUやメモリで事足りますが、動画編集や3DCGなど負荷の高い作業を行う場合は、インテルのCore i7やAMDのRyzen 7などの高性能CPUに、16GB以上のメモリを搭載したモデルが求められます。またストレージ容量も、画像や動画のデータを多く扱う用途なら、1TBを超える大容量のSSDやHDDを搭載したモデルを選びましょう。

インターネット閲覧や文書作成:
CPU: Core i3以上、メモリ: 4GB以上、ストレージ: SSD 128GB以上

動画視聴や写真編集:
CPU: Core i5以上、メモリ: 8GB以上、ストレージ: SSD 256GB以上

ゲームや動画編集:
CPU: Core i7以上、メモリ: 16GB以上、ストレージ: SSD 512GB以上、グラフィックボード: GTX 1060以上

  • ビデオ編集や3Dゲームなど、特殊な用途に対応できるか
    なかにはグラフィックス性能が重視されるビデオ編集や、3Dゲーミングなど、特殊な用途もあります。その場合はCPUやメモリ以外に、NVIDIAのGeForceなどの専用グラフィックスチップの性能にも注目する必要があります。ビデオ編集ではグラフィックス演算によるレンダリング処理に、3Dゲームではリアルタイムの高度な描画処理に、グラフィックス性能が大きく影響してきます。
  • オフィスソフトウェアの有無
    ビジネスシーンで活用する場合は、ワード、エクセル、パワーポイントなどのOfficeソフトがプリインストールされているかを確認しましょう。Officeソフトの別途購入は数万円の出費が必要となり、中古パソコンの価格を押し上げてしまう要因にもなります。

    できれば中古パソコンにOfficeがプリインストールされている製品を選ぶと無駄な出費を避けられます。ただし、プリインストールされていたOfficeでも、2万円台のパソコンは正規ルートではないボリュームライセンスの可能性があります。正規ライセンスでない場合、将来的に利用できなくなるリスクがあるのでご注意ください。

代替ソフトウェアの検討:
Microsoft Office以外にも、無料で利用できる代替ソフトウェアが存在します。代表的なものには、WPS Office2やOpenOfficeがあります。
これらの代替ソフトウェアは、Microsoft Officeと同様の機能を提供し、互換性がある場合もあります。ただし、全ての機能が完全に一致するわけではありません。

信頼できる中古パソコン販売店の選び方

中古パソコンの状態や付帯サービスは販売店によってばらつきがあります。安心して購入できる販売店を選ぶことが、トラブルを避ける上で重要になってきます。

家電量販店にある中古パソコンよりも、専門の中古パソコン販売店を選ぶことをおすすめします。専門店なら商品の状態チェックや整備、保証やアフターサポートなどのサービス水準が高く設定されています。

中古パソコン専門店の重要性

中古パソコンの状態をきちんとチェックして適切に整備・動作確認するには、専門的な知識と設備が不可欠です。一般の中古品店では対応が困難な部分も、専門店ならパソコンの専門家が手際良く対応してくれます。

また、中古品ゆえの不具合に備えた保証サービスの提供も、専門店ならより充実したサポートが期待できます。さらに交渉時の対応や、初期設定・データ移行のサポートなど、専門店ならではの高付加価値サービスを期待できるメリットもあります。

中古パソコン専門店の選定ポイント

  • 店舗の実績と長年の信頼性
    長年の実績を持つ店舗は、一般に信頼性が高く安心して購入できる可能性があります。市場で長く営業している店舗は、多くの顧客からの支持を得ている可能性があります。そのため、信頼性が高いと見なすことができます。
  • 保証とアフターサービスの内容
    パソコンは精密機械なので故障や不具合が起きる場合があります。そうしたリスクに備えて、専門店が提供する保証内容とアフターサービスを確認することが重要です。

    一般的に、保証期間は3カ月~1年が中心ですが、長ければ長いほど安心できます。また、保証対象が液晶や電源など一部の部品に限定されていないか、バッテリーなど消耗品が含まれているかも要チェックです。

    修理対応時の修理期間の長さなども確認が必要です。自身のニーズに適ったアフターサポートが受けられる店を選びましょう。
  • 修理実績と専門性
    中古パソコンを適切に診断・修理するには専門知識が欠かせません。店舗の修理実績や従業員の専門性を調べ、パソコン修理に対する経験値と信頼性を確認することをおすすめします。

    修理対応の質は、実際に修理を依頼した人のクチコミやレビューから伺えるはずです。信頼できそうな評価が多数なら、その店の修理体制は高水準であることが期待できます。
  • キャンペーンやサポート内容を比較する
    中古パソコン専門店には様々な付加価値サービスを提供しているところがあります。

    例えばOfficeソフトをプリインストールしてくれたり、初期設定やデータ移行のサポートを無償で行ってくれたりするところもあれば、用途に合わせたカスタマイズを格安で提供しているところもあります。

    各店のキャンペーンやサポート内容を比較し、自分のニーズにあった付加価値の高いサービスが受けられる店を選ぶと良いでしょう。
  • 店舗の評判やレビューを参考にする
    総合的に優れた専門店を選ぶには、実際に利用した人の声を参考にするのが一番です。TwitterやFacebook、Google mapなどの評価サイトで、対象の店舗のレビューを確認しましょう。

    単なる評価ポイントだけでなく、具体的なクチコミ内容を読むことで、その店の実態が見えてくるはずです。特に修理対応、付帯サービス、スタッフの対応姿勢などに関する生の声には注目が必要です。

    総合的に高評価が多ければ、おそらく質の高い専門店だと判断できるでしょう。疑わしいレビューが目立つようであれば、別の店を探すことをおすすめします。
  • 不審な改造跡や非純正品の有無
    次に気をつけなければならないのが、不審な改造の跡や非純正ソフトウェアの存在です。プロダクトキーが不明な非純正のOSがインストールされていたり、crack済みの不正なソフトが入っている可能性があります。

    こうした製品は絶対に購入してはいけません。トラブルのリスクが高すぎるだけでなく、違法な非純正品を使うことにもなってしまうためです。きちんと正規の純正OSやソフトウェアがインストールされているか、販売店に確認を行う必要があります。

    ビジネス用の中古パソコンを選ぶ際は、ハード面だけでなく、ソフト面でも問題がないか確認することが重要なポイントになってきます。

本体の状態と付属品の有無を確かめる

中古パソコンを選ぶ上で最も重要なのが、本体の状態と付属品の確認です。外観だけでなく、内部の各部品の動作状況もチェックする必要があります。

  • 本体の外観チェック(傷、汚れなど)
    まずは本体の外観から点検を行いましょう。キズや汚れ、変形や破損はないか、液晶ディスプレイに焼き付きや欠けはないかなどをしっかりと確認します。あまりにも大きな傷が付いていると、美観が損なわれるだけでなく、内部基板への影響も懸念されます。

    一方で、ごく小さな傷や汚れがある程度あるのは中古品ならやむを得ないでしょう。使用頻度が高い製品ほど、多少の傷は避けられないものです。ただし、過度の汚れや変形がある場合は、劣化が進行している可能性も考えられ、避けたほうが賢明かもしれません。
  • 付属品の完備状況
    続いて、付属品がすべて揃っているかをチェックしましょう。ACアダプタ、バッテリー、リカバリディスクなど、できれば元の付属品が全て揃っている方が安心です。これらが欠品していると、別途購入する必要が出てきて余計なコストがかかってしまいます。

    本体の外観と付属品が揃っていることは写真や商品説明文で確認できます。内部の動作チェックについては、中古パソコン専門店ならチェック済みなので安心して購入できます。

    専門店では以下の動作確認の項目を一つ一つクリアしたパソコンを販売されています。
    • CPU、メモリ、ストレージのテスト
    • 液晶、キーボード、トラックパッドの作動確認
    • バッテリー持続時間のチェック
    • インターネット接続
    • スピーカー、カメラ、マイク等の動作確認
    • BIOS/UEFIの設定内容確認
    • ストレステストによる発熱、ノイズチェック

保証とアフターサービスの内容を吟味

中古品を購入する際、最も気をつけなければならないのが保証内容とアフターサポートの確認です。万が一不具合があった場合の対応を事前に確かめておかないと、トラブルに見舞われる可能性が高くなってしまいます。

  • 保証内容と修理対応の重要性
    中古品には故障や不具合が付きものです。そのリスクに備えるため、専門店が提供する保証サービスの内容を入念に確認する必要があります。

    保証期間が長ければ長いほど安心できますが、保証内容が充実しているかが重要なポイントになります。液晶や基本基盤など一部の部品だけでなく、CPU、メモリ、ストレージなど主要な内部部品も万が一の際に無償で交換や修理してもらえる内容になっているかを確かめましょう。

    さらに修理対応の質も確認ポイントです。スピーディな修理対応が受けられるかどうかなども、大切な判断材料となります。
  • 修理受付窓口の対応
    店舗への直接受け渡しに加え、電話やメール、Web経由での修理依頼を受け付けてくれるかどうかを確認しましょう。自宅または職場からでも簡単に修理を申し込めるサービスが整っているか、それとも店頭への持ち込みのみなのかで、利便性が大きく変わってきます。

    こうした丁寧なアフターサポートが提供されているかどうかは、各店の実績を見れば一目瞭然です。たとえ中古品であっても、安心して長期間活用できるよう、サポート体制も重視して専門店を選ぶべきでしょう。

将来の拡張性とアップグレード可能性

中古パソコンを選ぶ際は、ある程度の先を見越して将来の拡張性やアップグレード可能性についても考慮する必要があります。当初の用途に加えて、要求スペックが変化した場合でも、できる限り対応できるマシンを選ぶと良いでしょう。

  • メモリやストレージの増設の可否
    まずは作業効率やデータ容量の変化に備え、メモリやストレージの増設が可能かどうかを確認しましょう。大容量のメモリを搭載できたり、ストレージをSSDへ換装できれば、パフォーマンスが大幅に向上します。増設が不可能な製品は、将来の要求に応えられなくなる可能性があります。
  • 拡張ポートやドライブベイの確認
    また、周辺機器の接続に伴うポートの拡張性や、ドライブベイの有無も重要です。USB Type-Cポートに対応しているかどうかはメリットが大きいでしょう。SSD増設やオプティカルドライブの取り付けなども可能かで、機能の幅が変わってきます。

    ビジネス用の中古パソコンでは特に今後のアップグレード、拡張の可能性が重要になってきます。できるだけロングライフで活用できることを目指すと、コストパフォーマンスの面でも有利になるはずです。このように、いくつかの項目を見据えて選ぶと、よりスムーズな中古パソコンの導入ができるでしょう。

購入手続きと安全性の確保

中古パソコンの具体的な購入手続きや、安全性を確保するためのポイントについても確認しておく必要があります。

  • 購入方法と支払い方法の確認
    支払い方法も店舗やサイトによって異なります。現金払いに加え、クレジットカード払いや分割払いなど、柔軟な支払い方式に対応しているか確認しましょう。
  • 安心して購入できるための注意点
    安全な中古パソコン購入に向けて、最後に気をつけたい点がいくつかあります。
    1. データ消去の確認
    まず、中古パソコンのデータ完全消去が行われているかを必ず確認しましょう。前のユーザーのデータが残っていては、機密情報が流出するリスクが高まります。専門店からの購入なら、しっかりとデータ消去が行われていると考えられますが、個人売買の場合は特に注意が必要です。
    2. 個人売買の際の対策
    実際に個人から中古パソコンを購入する場合は、多くの注意点があります。本人確認や領収書の発行、現物の確認方法など、トラブルに巻き込まれないよう十分な対策が必要不可欠です。

    できれば個人売買は避け、安心して購入できる専門店の利用を検討するのが賢明です。専門店なら中古品でも一定の品質が保たれています。

    また、購入後のサポートやアフターフォローも期待できますし、保証やレンタルサービスなども充実していることがほとんどです。こうしたメリットを考えれば、初期費用は多少高くなっても、中古パソコンは専門店から入手するのが安全で賢明な選択肢と言えるでしょう。

まとめ

中古パソコンの購入は予算を抑えられる一方で、不具合のリスクが伴うことから、慎重な検討と綿密な確認が欠かせません。本記事で解説した8つのポイントを押さえることで、安全で上質な中古パソコンを入手することができます。

  1. 選定理由の明確化
    新品か中古か、メリット・デメリットを理解した上で、用途と予算に見合った選択を行いましょう。
  2. 用途に見合ったスペック確保
    CPU、メモリ、ストレージなどのスペックが、ご自身の用途を満たしているかを確認します。
  3. 信頼できる専門店の選定
    保証内容、修理実績、アフターサポートなどを総合的に吟味し、質の高い専門店を選びましょう。
  4. OSとソフトウェアの状況確認
    正規のOSとソフトがインストールされており、不審な改造がないことを確かめます。
  5. 本体の状態と付属品の確認
    外観の傷だけでなく、内部の各部品の動作や付属品の有無もしっかりチェックします。
  6. 保証とアフターサポートの内容吟味
    保証期間や内容、修理対応力、代替機レンタルなどのサポート体制を重視しましょう。
  7. 将来の拡張性・アップグレード可能性
    メモリ増設やSSD換装、外部機器の拡張ポートなど、ある程度先を見据えて選びます。
  8. 安全な購入手続きと対策
    データ消去状況の確認や個人売買時の注意点など、安全面にも気をつけましょう。  

このように、ハードウェアとソフトウェア、保証内容とサポート、そして安全面まで、あらゆる角度から中古パソコンを吟味することが重要です。慎重な検討を重ね、高コストパフォーマンスかつ安全性の高い製品を選びましょう。

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